天体の赤道座標は天体自身の固有運動で日々変化しています。
ここでは固有運動による位置変化を求める方法を説明します。

固有運動の向き

元期における固有運動の向きψ0は、星表に記載されている天体の赤緯をδ0、 1年間(1ユリウス年)あたりの赤経の変化量をμα、赤緯の変化量をμδとすると、

x = μδ
y = μα * cosδ0
ψ0 = atan(y / x)

となります。ただし、tanψ0 = sinψ0 / cosψ0 = y / x なので、
x ≥ 0 かつ y ≥ 0 のとき、ψ0は第1象限(0°以上90°未満)、
x < 0 かつ y ≥ 0 のとき、ψ0は第2象限(90°以上180°未満)、
x < 0 かつ y < 0 のとき、ψ0は第3象限(180°以上270°未満)、
x ≥ 0 かつ y < 0 のとき、ψ0は第4象限(270°以上360°未満)とします。

固有運動の角距離

元期における全固有運動速度μ0は、星表に記載されている天体の赤緯をδ0、 1年間(1ユリウス年)あたりの赤経の変化量をμα、赤緯の変化量をμδとすると、

$$ \mu_{0} = \sqrt{{\mu_\alpha}^2\cos^{2}\delta_{0}+{\mu_\delta}^2} $$

となります。
したがって、t年間(tユリウス年)で天体が移動する角距離σは下記で計算できます。

t = (観測時のユリウス通日 - 元期のユリウス通日) / 365.25
σ = μ0 * t

固有運動による位置変化を求める

固有運動を反映した赤経α1、赤緯δ1、パラメーターL1、M1、N1は、 星表の赤経α0、星表の赤緯δ0、固有運動の向きψ0、固有運動の角距離σを用いて、 下式で計算できます。

L1 = cosα0 * cosδ0 * cosσ - (sinα0 * sinψ0 + cosα0 * sinδ0 * cosψ0) * sinσ
M1 = sinα0 * cosδ0 * cosσ + (cosα0 * sinψ0 - sinα0 * sinδ0 * cosψ0) * sinσ
N1 = sinδ0 * cosσ + cosδ0 * cosψ0 * sinσ
α1 = atan(M1 / L1)
δ1 = asinN1
ただし、tanα1 = sinα1 / cosα1 = M1 / L1 なので、
L1 ≥ 0 かつ M1 ≥ 0 のとき、α1は第1象限(0h以上6h未満)、
L1 < 0 かつ M1 ≥ 0 のとき、α1は第2象限(6h以上12h未満)、
L1 < 0 かつ M1 < 0 のとき、α1は第3象限(12h以上18h未満)、
L1 ≥ 0 かつ M1 < 0 のとき、α1は第4象限(18h以上24h未満)とします。

固有運動による位置変化を求めるプログラム

毎年1月1日0時(世界時)における天体について、固有運動による赤道座標の位置変化を10年分表示します。

  年から10年間
赤経 ° 赤緯 °
固有運動 赤経 /1000″  固有運動 赤緯 /1000″